●words from SAYOKO
●第一章 出会ってすぐに意気投合
●第二章 ロバート・アシュレイのオペラ
●第三章 新しいジャンルを進むということ
●第四章 世代を越えて通じ合う感覚
●第五章 面白いことを求めて広がる出会い
 
第四章 世代を超えて通じ合う感覚

山口 今、60-70年代に活躍した実験映画の監督たちの仕事を企画・プロデュースしていますが、そうした巨匠に惹かれる理由は?
生西 なんでですかね。音楽でも映像でも、60年代末から70年代初頭くらいって、もともと大好きで。それが根底にあるんですけれど。

60-70年代から活躍しているような人達とは、世代的に親子くらい違うわけですけど、すごく付き合いやすいんですよ。相手のキャパシティが広い、というのも勿論あると思うんですけれど、何故か話しやすいし、内容も全て当たり前のように通じるんですよ。

むしろ、自分より年齢の前後の世代、20代の人や40-50代の人たちとは、あまりストレートに通じない事が多いです。というかまどろっこしい人が多くて。勿論、例外もありますけどね。

掛川 保守的っていうのかな。
生西 あの時代に活躍して今も現役で作っている人というのは、さすがにお歳をめして、人間的には丸くなっているんだけど、でも、本質は変わらず、どこか尖った感覚というのがちゃんとあって。
掛川 過激だし、パンクだし。
生西 だから、一緒にやるときも、過激なアイデアが倍返しに返ってくるし、お互いに煽られて楽しい、というところがあるんです。そういえば磯崎新さんにお会いした時に、今ちょうど60年代末の感覚が一周してきているようで、逆に僕たちの作品も自分にとってわかりやすいし、シンパシーも感じる、というようなことをおっしゃってくれてましたけど。
山口 それはやろうとしていることが共通しているからじゃないのかしら。
生西 そうかもしれない。それから彼らは、渡した作品を必ずちゃんと見てくださるんですよ。ちゃんと見てくれて、面白いと思えば……たとえば松本俊夫さんなら、レポート用紙3枚位にびっしり作品に対する感想を書いて送ってくださったり。自分達の意図を超えるような解釈で……恐縮もしましたが……大変有り難かった。かわなかのぶひろさんとか、他の方たちもそうですね。けっして黙殺するような事はしない。
山口 話は変わるけれど、小さいときは何をして遊んでいました?
生西 それって何かわかるんですか?
山口 それがね、この質問をするとどこか今やっていることと繋がっていて面白いの。
掛川 お絵描き。遊び道具がなかったんですよね。それと、秘密基地作り。洞窟みたいなのがあってそこに秘密基地を作ったり。あとは天井裏遊び。
生西 変わってないね(笑)。覗き見るのが趣味というか。
掛川 屋根裏にハンモックつるしたり、天井に孔を開けて怒られたり(笑)。
山口 それ、掛川君という人を象徴しているような気がする。みんなとも交わるけれど、個の中にも入るでしょう。
掛川 たまにそういうところに入ってみたくなる。生西君は?
生西 掛川君と同じように絵を描くのも好きでした。父親が建築家だったので、建築図面の青焼きのいらなくなったものがいっぱいあって。その巨大な紙の裏に、UFOと戦闘機が対決しているのをずっと描いていました。
掛川 ほおぉ。UFOと戦闘機。
生西 あと小学校では、遊びを考えていましたね。例えば鬼ごっこみたいなものに、どんどんルールを付け足して新しい遊びを作る。そして、それが学校中に流行るんだけれども、誰もボクが作ったということは忘れて、遊びだけが残る。


    
 



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